借金減額の仕組みを知らないとハマる罠とやばいデメリット
借金を減額できる仕組みには2つあります。
1つ目は貸金業者と交渉して利息と借金の元金を減らす方法です。2つ目は貸金業者と交渉をして利息分だけカットして元金だけ返す方法です。
これらの借金を減額できる仕組みを知らないと借金の減額はできたものの、生活が苦しくなって破産に追い込まれたり、身内を巻き込んでみんなが借金苦になることは避けられません。
借金を安全かつ確実に減額して今の借金苦から抜け出したい人は手続きの仕組みとデメリットをきちんと理解するべきです。
借金減額の仕組みは2パターン
冒頭でも紹介したように借金を減額できる仕組みは、
- 利息と借金の元金を減らす方法
- 息分だけカットして元金だけ返す方法
上記の2つが確実です。
借金を減らせると宣伝している「おまとめローン」という借金の返済窓口を1つにできるサービスがありますが、おまとめローンは借金を一つにしても金利が付き、借り入れ状況によっては逆に借金が膨れ上がる可能性があるので借金減額できる仕組みとは言えません。
ここでは確実に借金を減額できる方法と仕組みについて解説します。
利息と借金の元金を減らす方法の仕組み
この手続きは借り入れの元金を減らせます
2010年より前に借金をしている人は払いすぎた利息である「過払い金」が発生してます。過払い金は請求をしないと絶対に戻ってこないお金です。
司法書士や弁護士に過払い金請求の依頼をすることで払いすぎた利息を貸金業者から返してもらうことができます。過払い金の金額が大きければ今ある借金を限りなくゼロに近づけることもできますし、借金をゼロにすることもできます。
過払い金請求をした人の中には借金がゼロになるだけでなく、プラスになるケースも珍しくありません。
ただし、過払い金には最後の取引から10年経過すると時効になり1円も取り戻せなくなることが法律で決まっています。
年々、時効が成立して請求できなくなってしまう人が増えているので、現在30歳以上で2010年より前から借り入れをしたことがある人は今すぐ専門家へ相談すべきです。
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利息分だけカットして元金だけ返す方法の仕組み
この手続きは利息分をカットできます
借金の終わらない原因の多くは利息です。
司法書士や弁護士に相談すると「任意整理」といって貸金業者と直接交渉して利息をカットする手続きがおこなえます。
任意整理をすると遅延損害金や利息分を貸金業者に支払わらなくて済むので元金だけ返せるようになります。
また、利息をカットしても毎月の返済が多くて苦しいという人は返済期間を3年~5年に引き伸ばして毎月の返済額を減らすこともできます。
この手続きは過払い金請求と合わせておこなえる手続きなので、過払い金があった人は元金を減らしつつ、利息もカットして借金を早く完済できるようになります。
任意整理で有効な借金
- リボ払いによる借金
- 消費者金融で作った借金
- 高い金利のローン
借金減額の仕組みで知らないとハマる罠
借金が増える罠「おまとめローン」
おまとめローンは複数の借金の返済窓口を1つにまとめることで返済計画を立てやすくしたり、金利を1つにそろえる目的があります。
しかし、先述した任意整理の手続きとはちがって利息は消えません。
また、金利を1つにそろえるのは聞こえはよいですが、おまとめローンをしたことで今かかえている借金の金利よりも高くなるケースがあります。
アコムなどの消費者金融ばかりに借りていたらおまとめローンをする価値はありますが、銀行系カードローンが多い場合は返済額が上がる可能性が高いです。
個人情報が抜かれる罠「偽業者の借金減額診断」
借金減額のきっかけを知ってもらうために弁護士や司法書士がおこなっている借金減額診断がいくつかあります。大手事務所の減額診断に申し込めば担当者が連絡をくれてどれくらい借金が減額されるのかを教えてくれます。
しかし、Twitterやネット掲示板、Yahoo!知恵袋の回答にあるどこの事務所がやっているのか分からない借金減額診断は、個人情報を抜かれて闇金のあっせん業者に情報をわたされる可能性があります。
借金の減額診断をするときは、どこの弁護士・司法書士がおこなっているのか確認した上で情報を入力しましょう。
借金減額の仕組みを知らないと損するデメリットとリスク
まず大前提として借金減額の手続きである「債務整理」をおこなうとブラックリストにのることになります。
ブラックリストにのるとクレカが利用できなくなったり、借り入れができなくなるデメリットがありますが、それよりもやばいデメリットがあります。
それは財産を失ったり、人脈を失ったりするデメリットとリスクです。これらのデメリットを回避するためにも、借金の減額をする前に以下の2つのことを確認しておく必要があります。
- ローンが残っている物がどれくらい残っているか
- 保証人付きの借金がどれくらいあるか
借金減額の手続きをするときにローンが残っている商品(車やブランド品、家)があると業者に回収されてしまうことがあります。また、連帯保証人付きの借金を減額手続きの対象にすると連帯保証人に免除された借金が全てうつってしまいます。
連帯保証人になる場面
融資・ローン契約 | 金融機関からの融資やローン契約時に、債務者が返済能力に不安がある場合、連帯保証人が求められることがあります。 |
住宅ローン | 住宅ローンを組む際に、借り手が返済に問題があると判断された場合、連帯保証人が必要とされることがあります。 |
教育ローン | 学生が教育ローンを申請する際、親が連帯保証人になることが一般的です。 |
これらのデメリットは回避することができるので、現在の借り入れ状況と返済状況を確認した上でどのように解決すべきかを司法書士または弁護士に相談すべきです。
ローンが残っている商品が回収される理由
ローンが残っている商品の名義は、あなたではなく、立て替えで支払っている貸金業者になります。そのため、減額手続きをするなら資金回収のためにローンが残っている車や家を競売にかけるのが一般的です。
ただし、減額手続きである「任意整理」は減額対象する業者を選んで手続きがおこなえます。車と家だけ残したい、他のブランド品はいらないというときは、車と家のローンを組んでいる業者だけを外して減額手続きを進めることができます。
また、それでも減額が間に合わないケースもあるでしょう。そんなときは家だけは残すことができる「民事再生(個人再生)」という手続きがあります。
保証人に借金がうつってしまう理由
借金をするときに保証人を立てていると、免除された金額だけ保証人に請求がいく仕組みです。貸金業者としては何としても資金を回収したいので保証人に飛び火するということになります。
恐ろしいところは、減額手続きで保証人に借金がうつると、あなたが分割で支払っていた借金は、民法137条の期限の利益喪失条項にのっとり、保証人が残りの借金を一括で支払うことになるということです。
保証人の付きの借金は保証人とよく話し合って手続きをする必要があります。「任意整理」という手続きを選べば保証人付き借金だけを対象外にすることも可能です。
話し合っても分からないときは迷わず専門家である司法書士や弁護士に相談すべきです。
借金が減額できない仕組み
借金が必ず減額できるかといえば、そうではありません。借金が減額できない場合の仕組みも理解しておかなければ、弁護士や司法書士に依頼損になってしまいます。
- 借り入れ金にかかる金利が低い
- 借金を3年~5年で返済できない
- 業者が借金の減額交渉に応じない
借り入れ金にかかる金利が低い
借金の減額の仕組みは借り入れ金(元金)にかかる金利をカットして返済額を減らすことにあります。
銀行ローン(住宅ローン)、奨学金といった借金は金利が非常に低く設定されているので借金の減額の効果はほとんどありません。
借金を3年~5年で返済できない
原則として借金減額ができる手続きは3年~5年以内に完済する計画を立てなければなりません。
そのため、3年~5年以内に完済できない借金は減額することができません。
ただし、借金の減額ではなく、自己破産による返済の免除を受けることはできます。
業者が借金の減額交渉に応じない
借金の減額は貸金業者と交渉して決めなければできません。
貸金業者の中には借金の減額交渉に応じない業者も存在します。そのような業者は借金減額をすることがむずかしいので、頑張って返済するか自己破産を選ぶしかありません。
取引期間が短いと減額できない
借金の返済から半年しか経っていない取引期間が短い借金は貸金業者が減額交渉に応じてくれないケースがあります。
借金減額の仕組みによくある質問
- 借金減額の罠とは?やばいデメリットがあるの?
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借金減額で有名なサービスに「おまとめローン」があります。借金を一本化して減らせる手続きですが、利息はついたままです。借り入れ状況によっては逆に借金が増える可能性がある罠があります。本当に借金の減額をしたいなら「債務整理」しかありません。詳しくは「知って納得!借金減額の仕組み」をご確認ください。
- 国が認めた救済措置を利用するデメリットやリスクは?
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国が認めた救済処置が「債務整理」になります。債務整理をすると借金を減額したり、ゼロにすることができますが、ブラックリストに載ったり、ローン返済中の車が回収されたりするデメリットとリスクがあります。詳しくは「借金減額の知らないとやばいデメリットとリスク」をご確認ください。
- 借金相談はどこがいい?
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借金を解決することをゴールとした場合に相談すべき場所は3つだけです。1つ目は法テラス、2つ目は弁護士事務所、3つ目は司法書士事務所です。法テラスには利用するための条件があるため、審査をする時間がない人は弁護士や司法書士に直接相談した方が良いです。詳しくは「借金の相談はどこがいい?相談先」をご覧ください。
- 借金はいくらからやばい?
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借金は自分の年収の3分の1以上借りているとやばいです。そのため、金額ではありません。年収が300万円を切っている人が100万円以上の借金をしている場合、返済能力が追い付いていないと自覚すべきなので、債務整理を前向きに検討した方が良いです。