借金相談どこがいい?市役所と借金問題に強い弁護士どっちが正解か
借金は神経質な問題で少額であろうと高額であろうと相談することをためらう人は多いです。
また、どこに相談すればいいか分からず、借金の解決を後回しにして負債額が膨れ上がってしまうケースも珍しくありません。
結論から言えば借金の相談は市役所、法テラス、弁護士、司法書士に相談するべきです。
相談先 | 相談すべき人 |
---|---|
市役所 法テラス | 手取り収入が18万円以下の人 |
弁護士事務所 司法書士事務所 | すぐに借金の取り立てを止めたい人 債務整理をすぐにしたい人 |
上記の表のように自分の収入や緊急度によって相談先がさらに分かれるため、自分にあった相談先を知り、的確に相談すべきです。
借金相談どこがいい?相談先
家族や職場
借金問題は周囲の人への理解や認知があると、多重債務や借金の原因になる浪費やギャンブルを制止してくれるなど根本的な借金解決の後押しになるケースが多いです。
ただ、浪費やギャンブルによって1度目の借金ではなく、何度も借金をしているため家族や職場に相談できないという人は、市役所などの公的機関や借金相談を専門にあつかう弁護士や司法書士に相談すべきです。
解決のアドバイスをしてくれる公的機関
借金をやめるためにカードを停止したい、多重債務を解決する方法がしりたいなど借金の相談内容は人によってちがいます。
これらの借金の問題の糸口となるアドバイスをしてくれる公的機関はいくつかあります。
公的機関 | 受付時間 | 対応できる問題 |
---|---|---|
国民生活センター | 10:00〜12:00 13:00〜16:00 ※土日祝日と年末年始を除く | 借金 債務整理 |
全国銀行協会 | 【月/火/木】 10:00〜12:00 13:00〜17:00 【水/金】 10:00〜12:00 13:00〜19:00 ※祝日と銀行の休業日を除く | 住宅ローン カードローン 多重債務 |
日本貸金業協会 貸金業相談 紛争解決センター | 9:00~17:00 ※土日祝日と 12/29~1/4を除く | 借金と返済の相談 債務整理 |
日本クレジットカウンセリング協会 | 10:00〜12:40 14:00〜16:40 ※土日祝日と 12/28〜1/4を除く | クレジットカード カードローン 多重債務 |
土日祝と年末年始以外の平日に電話や面談で相談が可能です。
原則として電話で連絡することになりますが、何をどう相談すればよいか分からないという人が多いでしょう。
何から手を付けるべきか分からないという人は市役所や法テラス、弁護士、司法書士に相談した方が手っ取り早いです。
相談や給付金をあつかう市役所
市役所では朝8時30分~夕方5時までの間に自治体ごとに生活困窮者向けの相談窓口を設けています。
生活困窮者向けの相談窓口の名称は各自治体によって名前がことなるため、入り口の受付で「借金で生活が苦しくて相談にきました」と伝えれば窓口を案内してもらえます。
市役所では借金の相談をうけてどのように解決していくかのアドバイスや給付金の対象になっていないかを調べてくれます。
給付金の中には住居確保給付金といって、お金がなく住まいがなくなる可能性がある人に一定期間家賃相当額を給付してくれるものもあります。
市役所は借金の根本的解決はできず、アドバイスだけもらうところになります。
借金を減らしたり、なくしたい人は法テラスや弁護士・司法書士に相談すべきです。
弁護士や司法書士をつなぐ法テラス
収入がほとんどなく、お金もなくて借金の返済がどう考えてもできないという人は国が設立した「法テラス」に相談すべきです。
法テラスは借金の相談を無料でおこなってくれ、法テラスと提携を結んでいる弁護士や司法書士をマッチングしてくれます。
借金解決の手続きは弁護士や司法書士がすることになりますが、法テラスは弁護士や司法書士の依頼料を立て替えてくれたり、建て替えた費用をさらに分割で支払えるようにすることができます。
借金相談を専門にする弁護士事務所
借金問題を専門にあつかっている弁護士事務所でも無料相談や借金減額シミュレーターといったサービスをおこなっています。
市役所や法テラスといった公的機関では手続きまでに時間がかかりますが、弁護士事務所に直接相談すれば借金の減額手続きや無くす手続きをすぐにでもおこなえます。
弁護士に依頼すると費用が高いイメージが強いですが、借金相談を専門にする弁護士事務所は手元にお金がなくても依頼できる仕組みやそもそもの依頼料が安いケースもあります。
借金相談を専門にする司法書士事務所
借金問題を専門にあつかっている司法書士事務所でも無料相談や借金減額シミュレーターといったサービスをおこなっています。
市役所や法テラスといった公的機関では手続きまでに時間がかかりますが、司法書士事務所に直接相談すれば借金の減額手続きや無くす手続きをすぐにでもおこなえます。
弁護士事務所よりも司法書士事務所の方が安く依頼できるケースが多いですが、借金の負債額が数百万レベルだと弁護士に相談した方が良いケースがあります。
借金相談を市役所にすべきケース
頼れる人が誰もいない
家族や職場に頼れる人が誰もないときは、市役所の相談支援員に相談すべきです。
相談支援員に相談することで借金問題を解決するための手続きやすべき流れ、現在受けられる給付金制度などを教えてくれます。
無料相談を利用したい
自治体によっては相談支援員とは別に市役所と提携をむすんでいる借金に詳しい弁護士や司法書士の無料相談をうけることができます。
また、法テラスは全国に対応していますが、都道府県別に相談先がことなります。市役所の無料相談を通してどこに連絡すべきかを聞くことができます。
借金相談を弁護士や司法書士にすべきケース
平日の日中に時間をとれない
借金の相談をしたいけど仕事があって市役所や公的機関の相談受付時間に行くことができないという人は多いです。
そんな時は弁護士や司法書士の無料相談を利用すべきです。
弁護士や司法書士事務所ならメールでの問い合わせや夜間の電話受付にも対応できるところがあります。
受付自体は24時間対応しているところが多いため、自分の相談できる時間にメールや電話で対応してもらうことが可能です。
今の借金を減額できるか知りたい
市役所や公的機関に相談しても現在の借金がどれくらい減額できるのかについては教えてくれません。
しかし、弁護士や司法書士に相談すればおおよその減額や借金をなくす方法について教えてくれます。
また、借り入れ時期によっては過払い金といって貸金業者から取り戻せるお金が発生しています。過払い金の発生有無についても無料相談で知ることができます。
家族や職場に借金を知られたくない
家族や職場に借金をしていることを知られたくない人は弁護士や司法書士に相談すべきです。
弁護士や司法書士事務所は守秘義務に厳しく、届く郵送物の封筒を気づかれないものに変更してくれたり、電話する時間を依頼者に合わせてくれたり配慮が徹底されています。
借金を確実に解決したいとき
借金問題を解決するのは結局は弁護士や司法書士です。
市役所や公的機関である法テラスに相談をしても結局は弁護士や司法書士を紹介されて手続きをするところは一緒です。
したがって、市役所や公的機関に相談せず、弁護士や司法書士を見つけて相談した方が確実かつ早く借金を解決できます。
借金相談に強い弁護士・司法書士を選ぶポイント
弁護士や司法書士の全てが借金相談に対応してくれるわけではありません。
弁護士や司法書士にも取扱い業務が多くあり、事故や事件を専門に扱う弁護士や不動産登記を専門にあつかう司法書士などがいます。
借金相談するときは「債務整理」を業務のメインにしている事務所を選ぶべきです。
司法書士は代理として手続きできる上限額が1社あたり140万円までと決まっています。
弁護士は上限額がありません。
借金をしている金額が貸金業者1社あたり140万円を超えていると司法書士で対応できなくなるので弁護士に相談する必要が出てきます。
ただし、2社で140万円といったケースは上限に達していないので司法書士で対応できます。
弁護士に相談すれば間違いないですが、依頼費用が高くなる傾向にあるので貸金業者1社あたりの借金が140万以下なら司法書士に相談すべきです。
借金相談と解決の実績
弁護士や司法書士にも借金相談と解決に得意、不得意があります。
借金相談の解決が不得意な事務所に依頼してしまうと依頼したまま連絡が途絶えてしまったり、自分にとってデメリットとなることを教えてもらえなかったりします。
借金問題を解決するには「債務整理」という手続きが必要になります。
実績のある弁護士や司法書士を見つけるときは「債務整理」の対応件数や解決件数の多い事務所を選ぶべきです。
実績のある弁護士や司法書士は必ずホームページに相談件数や対応件数を記載しています。
債務整理は借金を減らすもしくは無くす手続きの総称です。
債務整理の手続きは任意整理、自己破産、個人再生の3つに分けられます。
借金を減額したい人は任意整理や個人再生、借金を無くしたい人は自己破産を選択します。
借金の解決にかかる費用
借金問題を解決する債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)にはそれぞれ費用がかかります。
依頼費用の相場を知っておかなければ、損をしてしまいます。
費用の相場 | |
---|---|
任意整理 | 1社あたり 5万円~10万円 |
自己破産 (同時廃止)※1 | 30万~50万円 |
自己破産 (管財事件)※2 | 80万~130万円 |
個人再生 | 40万円~70万円 |
※2管財事件は財産が残っていて処分して返済に充てることができる場合にする手続きです。
任意整理の費用の仕組み
借金を減額する手続きである任意整理は、手続きをする業者1社につき料金が発生します。
例えば、2社からお金を借りていて、まとめて任意整理するときは費用が×2となります。
また、借りている金額によって金額が上下するので、借りている金額が低ければ料金もその分安くなる仕組みを採用している事務所がほとんどです。
借りている業者数や借金額によっては任意整理をしない方が良いケースも出てきます。自分が任意整理すべきか、意味がないかについても弁護士や司法書士に相談すべきです。
任意整理の料金シミュレーション
1社からの借り入れをしていたとき
借金の金利 | 通常の返済総額 | 任意整理後の総額 |
---|---|---|
金利18% | 68万493円 | 60万円 |
金利17% | 67万465円 | 60万円 |
金利16% | 66万438円 | 60万円 |
金利15% | 65万410円 | 60万円 |
金利14% | 64万383円 | 60万円 |
借金の返済に2年以上かかる人は任意整理をした方が8万円以上お得になるケースがあります。また、任意整理をすると3年~5年で完済する分割支払いの契約もできるようになるので毎月の返済額をグンと減らすこともできます。
2社以上からの借り入れをしていたとき
借金の金利 | 通常の返済総額 | 任意整理後の総額 |
---|---|---|
金利18% | 68万493円 | 62万円 |
金利17% | 67万465円 | 62万円 |
金利16% | 66万438円 | 62万円 |
金利15% | 65万410円 | 62万円 |
金利14% | 64万383円 | 62万円 |
借金の返済に2年以上かかる人は任意整理をした方が5万円以上お得になるケースがあります。また、任意整理をすると3年~5年で完済する分割支払いの契約もできるようになるので毎月の返済額をグンと減らすこともできます。
任意整理の依頼料は貸金業者1社あたりに費用がかかります。そのため、3社以上の借り入れになると依頼料の方が高くなるので、どのように返済をしていくべきか相談する必要があります。
金利14%以下になると50万円の借金では任意整理の依頼費用の方が高くなるケースがあるので依頼せず、自力で返済した方がよいこともあります。
借金額に合わせた任意整理の適正
手続きのデメリットやリスクを教えてくれるか
借金問題の解決は極端な話をすると「業者からの借り入れ問題を解決ればよい」という意味に取ることができます。
借金を減額したり、無くしたりする手続きだけして、その後の生活に出るデメリットやリスクを説明しない事務所には依頼すべきではありません。
その後の生活へのリスクや回避策を教えてくれない事務所にお願いすると任意整理しなければよかったと後悔したり、かえって生活が苦しくなって闇金に手を出してしまったということになりかねません。
借金相談はお金がなくてもできる理由
依頼すると返済が停止するため
債務整理を弁護士や司法書士に依頼すると受任通知というものが出され、貸金業者は債務者(あなた)に対して取り立てや催促をすることができなくなります。
つまり、債務者(あなた)は手続きが終了するまでの間は、貸金業者に対して返済をしなくてよくなります。手続きは3か月~1年ほどかかるので、その間に支払う予定だったお金の中から債務整理の費用を用意できます。
法テラスなら費用を立て替えてくれる
収入がなく手続きの依頼ができないという人は法テラスの民事法律扶助を利用することで費用の立て替えをしてもらうことができます。
また、立て替えた費用は5,000円~1万円の少額で支払うようにすることもできます。
法テラスの民事法律扶助の制度を利用するには審査に通らなければなりません。詳しくは「費用を払えない人が法テラスの利用する方法」をご確認ください。
借金相談の流れ
相談する前に確認すべきこと
弁護士や司法書士事務所がおこなっている無料診断サービスを利用する前に、自分の借金の状況を確認すべきです。
- 借金の総額
- どこの業者から借りたのか
- 保証人付きの借金はあるのか
- 残したい財産はあるのか
上記の4つさえ分かれば任意整理を依頼するところまで進めることができます。
自分の借金の総額は任意整理の依頼費用に関わってきます。借金の総額が低いと任意整理をしない方が良いケースもあります。
無料相談や減額シミュレーターを利用
無料相談では、どこから借りたのか、保証人付きの借金のこと、残したい財産のことの3つを話すことで、どのように手続きをすべきか、任意整理をする意味があるのかを教えてくれます。
その場で相談内容に納得できるときは、任意整理を依頼すればその日から受任通知を出して取り立てを止めることができます。
減額シミュレーターではどこから借りたのか、借金総額はいくらで、借り入れ時期は何年前からかを記入することで担当から折り返しの連絡がきます。
折り返しの連絡がきたとら無料相談と同じ相談の流れとなります。
正式に依頼をして取り立てを止める
無料相談をした後に正式に債務整理の依頼をすれば、弁護士や司法書士は受任通知を出してくれます。
受任通知が貸金業者に届くまで時間差はありますが、債務整理を弁護士や司法書士に依頼したことを伝えれば業者はそれ以上取り立てはおこなえません。
手続き中の過ごし方
手続き中は貸金業者への返済をしなくて良いので、返済分の金額が浮きます。
返済するはずの金額の一部から債務整理にかかる費用を出さなければなりません。
取り立てがなくなったからといって散財をしたり、新たな借金を作るのは絶対にしてはいけません。
手続き中や任意整理後に新たな借り入れをしていることが発覚すれば、借金を返す気がないと判断されて任意交渉が失敗するだけでなく、貸金業者から悪意があるとして詐欺罪で訴訟を起こされる可能性があります。
手続き期間は1社あたり3か月~6か月ですので、返済再開までに今後の生活の計画を練ったり、財産の確保をするべきです。
和解契約後に返済の再開
収入が安定していて、早く借金を返せる人は3年以内に完済させることができます。毎月の返済額を減らして生活を安定させてから借金を返したい人は3年間~5年間で完済させるように交渉します。
返済期間と返済額を含めた任意交渉が終わり、和解契約が済んだら残りの借金の返済が再開します。
借金相談に関するよくある質問
- 借金の相談は結局どこいいですか?
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借金を解決することをゴールとした場合に相談すべき場所は3つだけです。1つ目は法テラス、2つ目は弁護士事務所、3つ目は司法書士事務所です。法テラスには利用するための条件があるため、審査をする時間がない人は弁護士や司法書士に直接相談した方が良いです。詳しくは「借金相談を弁護士や司法書士にすべきケース」をご覧ください。
- ギャンブルで作った借金でも相談できますか?
-
ギャンブルで作ってしまった借金の問題でも相談することができます。また、相談後に借金の減額手続きをおこなうこともできます。ただし、自己破産はギャンブルによってつくった借金を認めないケースがあるので、弁護士や司法書士に相談すべきです。依頼費用については「借金の解決にかかる費用」をご覧ください。